最近では、格安SIM(MVNO)の認知度も上がってきて、3大キャリアから乗り換える人も増えてきました。
乗り換える目的として、
「毎月の通信費を節約したいから」
という人が多いでしょう。
格安SIMは料金プランの自由度が高いので、自分に合ったプランを選択すれば、3大キャリアでの契約と比較して年間数万円の節約になることもあります。
しかし、興味はあっても、今すぐ乗り換えを検討する人は少ないです。
その要因のひとつが、キャリアによる“2年縛り”。
「2年縛りが終わったら、格安SIMに乗り換えよう」
そう考えている人が結構な割合でいます。
果たして、それが通信費節約の最善手なのでしょうか。
キャリアに違約金を支払って格安SIMに乗り換えた方が、結果的に総支払額が少なくなるケースもあります。
「違約金を支払うのは損」という思い込みは捨てて、まずはシミュレーションしてみませんか?
2年縛りとは
各社で名称は異なりますが、2年単位での契約で通信料を割引するサービスを提供しています。
そして、ほとんどの人がこのサービスに加入していると思います。
2年単位で自動更新され、更新月以外で解約すると、「契約解除料」などの名目で違約金として9,500円がかかってしまいます。
これが、いわゆる“2年縛り”です。
そのため、他社に乗り換える場合、違約金のかからない期間に行う人が多いのではないでしょうか。
乗り換えに必要な費用
キャリアから格安SIMに乗り換えるには、以下の費用がかかります。
転出元(キャリア)
- MNP転出手数料(ドコモ:2,000円、au・ソフトバンク:3,000円)
- 契約解除料(更新月以外の場合 9,500円)
- 端末の残債(分割購入の場合)
転出先(格安SIM)
- 新規契約手数料
- SIM発行手数料
※格安SIMによって異なりますが、おおむね3,000~3,500円程度と考えておけばいいでしょう。
シミュレーションしてみる
ここでは、格安SIMに乗りかえることで得する事例を挙げてみます。
契約状況は人それぞれなので、「自分の場合はどうなのか」ということが大事です。
節約を考えるならば、一度計算してみましょう。
ドコモから『LINEモバイル』へのMNPを検討するAさんの場合
現在の状況を確認する
現在、ドコモでiPhone 7(32GB)を契約しているAさん。
毎月の支払は以下のような感じ。
カケホーダイライトプラン | 1,700円 |
データMパック(標準)(5GB) | 5,000円 |
spモード | 300円 |
分割支払金 | 3,175円 |
月々サポート | -2,575円 |
月々の支払金額 | 7,600円 |
- 毎月の支払額は7,600円
- 更新月まで1年半
- 端末の残債57,150円(18回分)
『LINEモバイル』での料金プランを考える
通信費節約のため、『LINEモバイル』への乗り換えを検討することに…
LINEモバイルは、LINEやTwitterなどでデータ容量を消費しないので、現状より少ないプランでも困らないだろうと判断しました。
そこで、データ通信3GB+音声通話SIM(1,690円)を選択します。
MNPが得かどうか計算する
まずは、乗り換えに必要な費用を計算してみましょう。
MNP転出手数料 | 2,000円 |
契約解除料 | 9,500円 |
端末の残債 | 57,150円 |
新規契約手数料(LINEモバイル) | 3,000円 |
SIM発行手数料(LINEモバイル) | 400円 |
乗り換えに必要な金額 | 72,050円 |
違約金や端末の残債を合わせると、72,050円でした。
乗り換えで節約できる金額が72,050円を上回れば、違約金を支払ってもLINEモバイルに乗り換えた方が得ということになります。
ドコモを継続した場合とLINEモバイルに乗り換えた場合を比較してみます。
ドコモ継続の場合 | 乗り換えた場合 | 差額 | |
1ヵ月目 | 7,600円 | 72,050円 | -64,450円 |
2ヵ月目 | 15,200円 | 73,740円 | -58,540円 |
3ヵ月目 | 22,800円 | 75,430円 | -52,630円 |
4ヵ月目 | 30,400円 | 77,120円 | -46,720円 |
5ヵ月目 | 38,000円 | 78,810円 | -40,810円 |
6ヵ月目 | 45,600円 | 80,500円 | -34,900円 |
7ヵ月目 | 53,200円 | 82,190円 | -28,990円 |
8ヵ月目 | 60,800円 | 83,880円 | -23,080円 |
9ヵ月目 | 68,400円 | 85,570円 | -17,170円 |
10ヵ月目 | 76,000円 | 87,260円 | -11,260円 |
11ヵ月目 | 83,600円 | 88,950円 | -5,350円 |
12ヵ月目 | 91,200円 | 90,640円 | 560円 |
13ヵ月目 | 98,800円 | 92,330円 | 6,470円 |
※LINEモバイルは契約月の月額基本利用料が無料なので、表に反映しています。
見ての通り、12ヵ月目には差額がプラスになり、それ以降は乗り換えのお得感が増すばかりです。
また、2017年3月31日までに契約すれば、さらに2ヵ月間の月額基本利用料が無料になるキャンペーンを行っています。
こういったキャンペーンを活用することで、よりお得に契約することができます。
公式サイトはこちら ⇒ LINEモバイル
Aさんの場合、更新月まで1年半ありましたが、違約金を支払っても12ヵ月目には元が取れる計算でした。
auから『楽天モバイル』へのMNPを検討するBさん夫妻の場合
現在の状況を確認する
現在、夫婦ふたりともauでiPhone 6s(16GB)を契約しています。
毎月の支払は以下のような感じ。
スーパーカケホ | 1,700円 |
データ定額3(3GB) | 4,200円 |
LTE NET | 300円 |
分割支払金 | 3,250円 |
毎月割 | -2,255円 |
月々の支払金額 | 7,195円 |
- 毎月の支払額は7,195円×2人分=14,390円
- 更新月まで8ヵ月
- 端末の残債26,000円(8回分)×2人分=52,000円
『楽天モバイル』での料金プランを考える
通信費節約のため、『楽天モバイル』への乗り換えを検討することに…
まず、端末の選択から。
楽天モバイルでは、コスパの高いといわれる『HUAWEI nova lite』を取り扱っているので、これを購入することにします。
つづいて、料金プラン。
auでの契約と同等のものにするため、データ通信3.1GBのプランに「5分かけ放題」を付けます。
端末は、一括払いで19,800円。
月額費用は、データ通信3.1GB+音声通話SIM(1,600円)+5分かけ放題(850円)=2,450円。
これが、2人分必要です。
使わなくなった端末は買取に出す
auで使っていたiPhone 6s(16GB)を買取してもらうことで、楽天モバイルでの費用に充てることができます。
『じゃんぱら』では、キレイな状態だと30,000円で買い取ってもらえるようです。(2017年3月23日時点)
MNPが得かどうか計算する
まずは、乗り換えに必要な費用を計算してみましょう。
MNP転出手数料 | 3,000円 |
契約解除料 | 9,500円 |
端末の残債 | 26,000円 |
新規契約手数料(楽天モバイル) | 3,394円 |
SIM発行手数料(楽天モバイル) | 0円 |
端末一括払い(楽天モバイル) | 19,800円 |
乗り換えに必要な金額 | 61,694円 |
1人当たり、61,694円必要です。
ここに、買取してもらったiPhone 6s(30,000円)の資金を充てれば、31,694円になります。
乗り換えで節約できる金額が31,694円を上回れば、違約金を支払っても楽天モバイルに乗り換えた方が得ということになります。
auを継続した場合と楽天モバイルに乗り換えた場合を比較してみます。
au継続の場合 | 乗り換えた場合 | 差額 | |
1ヵ月目 | 7,195円 | 32,544円 | -25,349円 |
2ヵ月目 | 14,390円 | 34,994円 | -20,604円 |
3ヵ月目 | 21,585円 | 37,444円 | -15,859円 |
4ヵ月目 | 28,780円 | 39,894円 | -11,114円 |
5ヵ月目 | 35,975円 | 42,344円 | -6,369円 |
6ヵ月目 | 43,170円 | 44,794円 | -1,624円 |
7ヵ月目 | 50,365円 | 47,244円 | 3,121円 |
8ヵ月目 | 57,560円 | 49,694円 | 7,866円 |
※楽天モバイルは月額基本料が初月無料なので、表に反映しています。
見ての通り、7ヵ月目には差額がプラスになり、更新月まで待たずに乗り換えた方が得といえます。
上の表は1人分ですが、2人で乗り換えることを考えると結構な節約です。
さらに、楽天モバイルでは2017年5月11日まで「1人契約するともう1人無料!キャンペーン」を行っているので、かなりお得に契約できるようになっています。
夫婦や家族で契約するのに、ピッタリのキャンペーンです。
普段、買い物で楽天市場を利用することの多いBさん夫妻にとって、貯まった楽天ポイントを支払いで使えるのもありがたいです。
公式サイトはこちら ⇒ 楽天モバイル
2人で楽天モバイルに乗り換えて、キャンペーンを適用させれば、通信費の節約になりそうです。
Bさん夫妻の場合、違約金を支払ってもお得という結果でした。
自分に合った格安SIM(MVNO)を選ぶのが大事
ここで紹介した『LINEモバイル』や『楽天モバイル』以外にも、数多くの格安SIMが存在します。
各社、料金プランや取り扱い端末が異なるので、じっくり検討しましょう。
時期によってはキャンペーンも行っているので、利用できるとさらにお得です。
まとめ
スマホの料金プランは複雑で分かりにくい部分が多いですが、節約するためにはシミュレーションしてみることをおすすめします。
その結果、2年縛りによる違約金を支払っても格安SIMに乗り換えた方がお得な場合もあります。
「違約金を支払うのは損である」と思い込んでること自体が損です。
長期的に考えれば、乗り換えた方が節約につながることが多々あります。
キャンペーン等をうまく利用できれば、その傾向はさらに強まります。
大事なのは、「自分の場合はどうなのか」を把握しておくことです。
一度、格安SIMへの乗り換えを検討してみてはいかかですか?